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反射炉(はんしゃろ)

金属の溶解・精錬に用いる炉。幕末期に鉄製砲鋳造のために建設され,鉄鋼業近代化の端緒として象徴的意味をもつ。燃料と金属材料を別の区画に装入し反射熱によって金属を溶解する炉。ヨーロッパでは古くから用いられたが,18世紀イギリスで改良され鉄鋼増産の主役となった。1850年(嘉永3)佐賀藩でオランダ語の技術書を参考に建設され,67年(慶応3)までに約200門以上の青銅砲とほぼそれに近い鉄製砲が製造された。佐賀藩の2カ所をはじめ薩摩・韮山(にらやま)・水戸など計11カ所で建設され,うち4カ所は民間経営だった。これにより原料銑(ずく)の質や大量入手の重要性が認識され,高炉による銑鉄の生産が促進された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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