1. 用語
  2. 日本史 -は-
  3. 藩札(はんさつ)

藩札(はんさつ)

江戸時代,諸藩で発行した紙幣。金札・銀札・米札(べいさつ)などの種類があり,短冊形の厚手の和紙に印刷された形態が多い。現存するものでは1661年(寛文元)の福井藩の銀札が最初で,発行例は244藩に及ぶ。幕府は1707年(宝永4)に札遣いを禁止したが,30年(享保15)に解禁して,札発行の先例をもつ藩にかぎりこれを認め,のち米札についても同様の規制を加えた。領内の貨幣不足の緩和や,専売制実施と関連して発行されたが,藩財政の窮乏化のなかで乱発され,兌換原則が崩れて領内経済を混乱させることも多かった。廃藩のため1871年(明治4)に通用停止となり,79年までに新貨に交換された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう