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版画(はんが)

木版・石版・銅版などで刷った画の総称。凸版・凹版・孔版がある。同一図様のものを大量に,しかも容易に制作できるのが最大の特徴。日本では布教のための宗教版画や,絵巻の下絵制作にも用いられた。日本最古の印刷物が法隆寺の百万塔におさめられた「陀羅尼(だらに)経」であることに象徴されるように,日本の版画のほとんどは木版画であった。浮世絵版画は墨摺(すみずり)から出発し,精巧な多色摺の錦絵(にしきえ)によってその頂点をきわめた。銅版画は江戸時代の後半,司馬江漢(しばこうかん)が日本ではじめて制作に成功した。版画は大量の複製制作の手段として用いられる以外に,それぞれの版画技法特有の効果をねらった芸術作品としても作られ,創作版画と総称される。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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