ハレ

晴とも。ハレは,晴れあるいは公の意味を表現する。ケに対比される語であり,ハレとケに対しては,聖と俗,公と私の対語をあてはめて説明する立場がある。祭や年中行事,冠婚葬祭のような特別な行為をともない,ふだんの生活とは異なる状態をさす。まず晴れ着つまり「よそゆき」の着物を着る,餅や赤飯など特別の食物を食べる,注連縄(しめなわ)をはったり,特別に装置した場所が選ばれるなど,衣食住の生活に「ふだん」との変化がみられる。ケの状態が永続せず衰えてケガレの状況になると,人間は「ふだん」のケを維持するような試みを企てる。行事の基底には並々ならぬエネルギーが働く。それがハレの文化の基本をなす。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう