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祓(はらえ)

「はらい」とも。罪・穢(けがれ)などを身から除き,清める儀式。記紀神話にみられる伊奘諾(いざなき)尊が黄泉(よみ)の国の穢を檍原(あはぎはら)で祓ったものと,素戔嗚(すさのお)尊が悪業の代償として,千座置戸(ちくらのおきど)を科されたときに天児屋根(あめのこやね)命が祓詞を宣したのが起源と伝えられ,記紀神話成立段階には実際に行われていた。穢には罪穢と汚穢があるが,当時はその区別が判然としていなかったためともに祓によって清め,はじめは解除(げじょ)の語も用いられた。大祓は,国家全体の穢を祓うために行われ,やがて6・12月晦日の年2回に固定され,大嘗(だいじょう)祭・新嘗(にいなめ)祭・斎宮卜定(ぼくじょう)など国の重要な祭事には必須のものとされた。しだいに私的な場でも行われるようになり,祓の儀も多様性を増した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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