隼人(はやと)
古代の南九州の居住者に用いられた呼称。畿内近国に移住させられた人々も隼人とよばれた。呼称は天武朝以降に成立・使用されたらしく,隼人は「夷人雑類」とされて野蛮人視された。朝廷は衛門府(のち兵部省)管下に隼人司をおき,朝貢隼人・畿内隼人を統轄させ,その呪力や軍事力を利用した。大隅・薩摩両国への班田制導入と朝貢停止により,9世紀には南九州の居住者が隼人とよばれることはなくなり,畿内隼人が即位・大嘗祭などの朝廷儀式に参加した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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