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破墨(はぼく)

水墨画の用墨法の一つ。山や石などの立体感を墨の濃淡で表現する技法。盛唐前期に山水樹石画の用墨法として生まれた。唐の張彦遠の「歴代名画記」に王維(おうい)の破墨山水という記述がみえ,以後時代とともに変化発展したが,具体的には淡墨の面を濃墨で破りながら,作品を完成に導いていく方法と結論づけられている。墨面を主とする溌墨(はつぼく)と違い,輪郭線と墨面の併用に特色がある。しかし,日本では厳密には区別されず,雪舟筆「破墨山水図」の「破墨」は,ほとんど水墨と同義である。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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