1. 用語
  2. 日本史 -は-
  3. 服部南郭(はっとりなんかく)

服部南郭(はっとりなんかく)

生没 1683.9.24~1759.6.21 江戸中期の文人学者。通称小右衛門,名は元喬,字は子遷,南郭は号。京都の町人出身。はじめ歌人として柳沢吉保に仕え,のち致仕して講義などで生計を立てた。1710年(宝永7)頃荻生徂徠に入門。とくに古文辞(こぶんじ)による詩文創作の主張を継承。大名など交際範囲が広く,詩名も高かった。遺託をうけて「徂徠集」「論語徴」など師の遺著の刊行にあたった。経世面では老荘風の無為の説に立つ。文雅風流に生きる理念は,江戸後期に輩出する文人の先駆をなした。世襲身分制の近世社会で,文学にかけて悔いない自我意識を立てた意義は大きい。「疎朗にして豪志あり」との徂徠評がある。著書「唐詩選国字解」「南郭文集」。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう