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八虐(はちぎゃく)

国家や儒教倫理にそむくものとして,律で最も重い犯罪とされた八つの刑目。日本律の母法唐律では十悪とよんだが,大宝律以来,唐律の不睦・内乱を除いて,謀反(むへん)・謀大逆(むだいぎゃく)・謀叛(むほん)・悪逆・不道・大不敬(だいふきょう)・不孝(ふきょう)・不義を八虐と名づけた(名例律八虐条)。このうち悪逆・不道・不孝など儒教の親族倫理にそむく犯罪は,日本にそれにみあう親族構造と倫理がないため,事実上空文に近かった。また平安末期までに社会通念として謀反・大逆・謀叛の区別もなくなり,反逆行為一般を「むほん」とよぶようになったため,八虐の語は,以後近世まで律令法以外の世界では「むほん」と同義語になった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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