場所請負制度(ばしょうけおいせいど)
江戸時代の蝦夷地経営の形態。商場(あきないば)知行制を採用していた松前藩は,享保・元文頃には商場の交易および漁業生産を商人に請け負わせ,運上金を上納させた。これを場所請負制という。18世紀半ばすぎには蝦夷地全体が商人の請け負うところとなり,漁業活動主体の経営に移り,アイヌを交易相手から雇いの労働者に転落させ,松前や東北地方からの出稼ぎ者を投入した。アイヌに対する酷使や虐待は1789年(寛政元)クナシリ・メナシのアイヌ蜂起をひきおこし,99年の幕府の東蝦夷地直轄の際,場所請負制を廃止し直捌(じきさばき)制とした。1812年(文化9)復活が決まり,翌年から実施。以後幕末期まで存続し,69年(明治2)廃止。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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