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婆娑羅(ばさら)

鎌倉幕府の倒壊前後からみられる風潮で,珍奇で派手な品や行動をいう。「建武式目」第1条は,「倹約を行はるべき事」として近頃婆娑羅と号して不相応な贅沢が好まれ,綾羅錦繍や念入りに細工を施した銀剣,飾りたてた服飾など,目を驚かせないものはなく,さながら「物狂」というべきかとこれをきびしく禁じている。時代の転換点にあたり,華美な現世謳歌が噴出し,豪華奢侈が好まれた。幕府の禁制にもかかわらず時代の流行となり,佐々木高氏(導誉(どうよ))のような婆娑羅大名まで出現し,また婆娑羅扇・婆娑羅の茶・婆娑羅絵などがもてはやされた。サンスクリットのバジラ(金剛)から転訛した語とされるが,その過程は未詳。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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