箱根関(はこねのせき)
江戸時代,幕府が東海道に設置した最も重要な関所の一つ。現在の神奈川県箱根町にあった。中世までの箱根越は足柄(あしがら)峠を迂回するのが一般的で,関所もその通路に設置されていた。江戸幕府は1618年(元和4)箱根路を整備して箱根宿をおき,これを東海道の正式の通路とし,翌年改めて同地に恒常的な関所を設けた。小田原藩が所管し,番頭以下20人前後の関所役人がいた。おもに東海道を通る「入鉄砲に出女」を検閲したが,幕藩制社会が安定し,今切関(いまぎれのせき)で鉄砲検閲が行われたため,中期以降は武器の検閲が形骸化した。しかし江戸時代を通じて,旅行者にとっては最もきびしい関所という認識が一般化していた。脇関に根府川・矢倉沢・仙石原・川村などの各関所がある。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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