萩焼(はぎやき)
萩藩の陶窯とその製品。萩焼の呼称は現代に始まる。山口県の萩市内の松本焼と長門市深川(ふかわ)湯本の深川焼に大別される。文禄・慶長の役後に招致された李朝の陶工李勺光(りしゃくこう)と李敬によって築窯された。文献では1638年(寛永15)の「毛吹草」に萩の産物としてあげるが,その創始の年代は不明。しかし藩の御雇細工人に坂・三輪・佐伯(林と改姓)・山村の4家が認められる。坂家の坂窯の発掘により,大量の日常飲食器が焼かれたことが判明したが,有名な茶道具については,ほとんど確認されなかった。江戸時代の萩焼の名作については数も少なく,近年,その力作は福岡県の高取焼の作とされる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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