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端唄(はうた)

邦楽の種目名。江戸末期に命名された小編の民衆歌謡の総称で,浄瑠璃・長唄や民謡などに属さない三味線音楽。一般に三味線音楽は芝居や花街と深くかかわるが,端唄は庶民の生活を背景とし,時代をこえて訴える要素が強い。天保の改革による庶民の三味線演奏の禁制がゆるむにつれ,流行歌(はやりうた)がつぎつぎとうまれて大流行となり,端唄と名づけられた。1853年(嘉永6)には愛好者のグループから歌沢が誕生。しかし明治20年代になると急速に衰退し,大正期以降に爪弾(つまびき)の小唄がうまれた。端唄作者の大半は未詳だが,歌人中島棕陰(そういん)の作詞とされる「京の四季」や,新宮藩江戸家老が作った「紀伊の国」など,文化人の作品が多いと推定される。1968年(昭和43)根岸登喜子が復興運動を始め,改めて世間の注目を集めている。代表曲「春雨」「夕ぐれ」「秋の夜」「わがもの」。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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