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廃娼運動(はいしょううんどう)

広義には公娼・私娼を問わず売春廃止にとりくむ運動,狭義には公娼制度廃止運動をさす。1872年(明治5)芸娼妓解放令が公布されるが有名無実に終わり,公娼制度は存続した。82年群馬県議会で廃娼案が通過し,これが全国の廃娼運動の始まりとなった。植木枝盛(えもり)・島田三郎らの天賦人権思想にもとづく主張,日本キリスト教婦人矯風会の遊廓反対運動,救世軍の山室軍平(ぐんぺい)らの活躍に加え,1900年の娼妓営業契約を無効とした大審院判決以降,自由廃業が盛んになり,運動は勢いづく。11年には廓清会発会,26年(昭和元)には廓清会と婦人矯風会が合同して廃娼連盟を結成し,35年までに14の県議会で廃娼案を通過させた。第2次大戦後の46年公娼制度廃止の通達が出され,56年売春防止法が制定された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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