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日野富子(ひのとみこ)

生没 1440~96.5.20 室町幕府の8代将軍足利義政の室。9代将軍義尚(よしひさ)の母。日野政光の女。1455年(康正元)義政の生母日野重子の意向で義政に嫁す。はじめ義政に男子がなく,64年(寛正5)弟義視(よしみ)を継嗣としたが,翌年富子が義尚をうみ,両者をめぐる対立が応仁・文明の乱の一因となった。乱中,義視が西軍に出奔したため73年(文明5)義尚が将軍となる。以後数年間,兄勝光と執政にあたり,89年(延徳元)義尚死後,妹の子義材(よしき)(義稙(よしたね))を継嗣に定めた。翌年義政の死後出家して妙善院慶山と称す。のち義材との関係は悪化,93年(明応2)細川政元の清晃(義澄)擁立を支持し,清晃を義政猶子(ゆうし)分として継嗣にたてた。富子の行使した将軍家重事の決定権は,御台あるいは後家の尼たる地位に由来し,中世の女性として例外的なものではない。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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