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菱川師宣(ひしかわもろのぶ)

生没 ?~1694.6.4 江戸前期の浮世絵師。江戸浮世絵の開祖とされる。安房国平群郡(現,南房総市)の縫箔(ぬいはく)師の家に生まれる。俗称吉兵衛。画系は不明だが,土佐派・長谷川派・岩佐又兵衛風・漢画などを自得し,みずから大和絵師・日本画師と称して独自の画風を確立した。版本では1671年(寛文11)刊の「私可多咄(しかたばなし)」(無款)が早く,以後「吉原恋の道引」(1678),「月次(つきなみ)のあそび」(1680),「浮世続絵尽」(1682),「美人絵づくし」(1683)など多数に描く。また「見返り美人図」など,吉原・歌舞伎・江戸名所を描いた肉筆画の作品も多く残している。こうした作品から菱川様の人気が高まり,一枚絵も描かれ,当時流行の絵画として浮世絵の名がつけられた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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