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樋口一葉(ひぐちいちよう)

生没 1872.3.25~96.11.23 明治前期の小説家・歌人。本名奈津。なつ・夏子ともいう。東京都出身。父は株を買った御家人で,明治維新後は下級府吏。1886年(明治19)中島歌子の萩の舎塾に入門。88年長兄が病死し,相続戸主となる。翌年父も死去し一家を背負う。三宅花圃(かほ)の「藪の鶯」に刺激をうけ,小説で生計をたてようとする。半井桃水(なからいとうすい)に師事するが,師弟関係が醜聞化し桃水から離れた。92年に発表した「うもれ木」が「文学界」同人の目にとまり,交友が始まる。下谷竜泉寺町・本郷丸山町での生活を背景に「大つごもり」「にごりえ」「十三夜」「わかれ道」などを発表。「たけくらべ」は森鴎外・幸田露伴(ろはん)・斎藤緑雨(りょくう)の絶賛をうけ,文名は一気にあがったがまもなく病没。一連の日記が残る。「樋口一葉全集」全6巻。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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