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翻波式衣文(ほんぱしきえもん)

太紐状に立ちあがる大波と鎬(しのぎ)立つ小波とを交互に配する衣文表現。その萌芽は,奈良時代の乾漆像(東大寺三月堂不空羂索(ふくうけんじゃく)観音,国宝)にすでにみられる。平安前期の木彫の隆盛にともない独特の律動感と刀の切れ味の顕示とにより,素木像に生気を与える手法として重用された。代表例は法華寺十一面観音像・室生寺弥勒堂釈迦如来坐像(ともに国宝)。10世紀以降はしだいに定形化し,11世紀中葉にはほぼ終息。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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