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本草学(ほんぞうがく)

古代中国に始まった動・植・鉱物など天産物の薬用を研究する学問。おもに草を対象としたので本草の名がうまれたという。最古の本草書は500年頃に陶弘景(とうこうけい)が編纂した「神農本草経」で,その後経験の蓄積と漢方医学の発達にともなって順次改訂され,唐の蘇敬(そけい)らが「新修本草」,宋の唐慎微(とうしんび)が「経史証類備急本草」を編纂。明末の李時珍(りじちん)が「本草綱目」を編纂して集大成される。日本には「新修本草」が奈良時代に,「経史証類備急本草」が平安末期に渡来し,和産物・和名と照合・同定する名物学がおこった。江戸時代になると「本草綱目」の移入・消化が行われ,博物学的色彩の濃い日本的な本草学が隆盛。その集大成の書として小野蘭山(らんざん)の「本草綱目啓蒙」などがうまれた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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