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法華義疏(ほっけぎしょ)

「上宮法華疏」とも。鳩摩羅什(くまらじゅう)訳「妙法蓮華経」の注釈書。三経義疏の一つ。4巻。聖徳太子撰。614年(推古22)から翌年にかけての成立。はじめに経の大意をのべ,経題を釈し,ついで全27品(提婆品(だいばほん)を欠く)を序説・正説・流通説にわけ,各品ごとに文釈を行う。釈意や分科など梁(りょう)の法雲の「法華義記」に多く依拠し,「本義」「本疏」「本釈」として直接引用している箇所も80以上あるが,批判を加えて自説をのべる箇所も20以上みえる。また「一大乗」「一仏乗」といった「一」を強調した語法が多くみえ,一乗思想への傾倒がうかがわれる。この義疏は606年(598年とも)推古天皇に行った講経の原稿をまとめたものといわれる。太子親筆と伝えるものが御物(ぎょぶつ)として現存するが,一方で太子撰を疑う説もある。「大正新修大蔵経」「大日本仏教全書」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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