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北進論(ほくしんろん)

韓国,満州を勢力下におき,ロシア・ソ連を仮想敵国とする陸軍主導の近代日本の軍事戦略。最初に明文化されたのは1907年(明治40)の「帝国国防方針」で,仮想敵国の第1位にロシアをあげ,10年韓国併合も行われた。この間北進論と南進論が併存し,競合関係のうちに推移した。満州事変の進展と対ソ戦の戦略的拠点確保の考え方は,反ソ・反共の陸軍皇道派の台頭とともに,北進論を優位においたかにみえた。しかしノモンハン事件の敗北と太平洋戦争の開始によって,南進が選択され,南方戦線維持のためにも陸軍みずからが北進論を抑制,戦力も南方へ転用されていった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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