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北槎聞略(ほくさぶんりゃく)

ロシアに関する江戸時代最初の漂流記。11巻・付録1巻。桂川甫周(ほしゅう)著。1794年(寛政6)成立。82年(天明2)に漂流してロシア領のアリューシャン列島アムチトカ島に漂着し,92年に送還された伊勢国白子の廻船神昌丸の船頭大黒屋光太夫の経験を記録したもの。近世の漂流民として西欧社会に接触した最初の事例で,光太夫自身の知性と桂川の学識によって,近世の外国に関する一流の著作となった。本書の体裁は以後の編纂物漂流記の標準になる。ロシアの風俗・言語,豊富な図などからなる。幕府直轄の秘本として一般には流布せず,亀井高孝の校訂(1937刊)によってはじめて普及した。「日本庶民生活史料集成」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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