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法隆寺(ほうりゅうじ)

斑鳩(いかるが)(鵤・伊可留我)寺・法隆学問寺とも。奈良県斑鳩町にある聖徳宗総本山。南都七大寺の一つ。塔・金堂を中心とする西院伽藍と,夢殿を中心とする東院伽藍に区分される。用明天皇が病に際し発願した寺院の建立を推古天皇と聖徳太子がうけつぎ,607年(推古15)に完成させたと伝える。これに先立つ606年には播磨国の水田100町が施入された。670年(天智9)火災により全焼したと「日本書紀」にあるが,1939年(昭和14)の若草伽藍跡発掘により,創建時の伽藍の焼失が確認された。現在の西院伽藍は7世紀末~8世紀初め頃に再建されたと考えられるが,建築は飛鳥時代の様式を伝えており,法隆寺式とよばれる伽藍配置をとる。739年(天平11)には太子の斑鳩宮跡に行信(ぎょうしん)が東院伽藍を建立した。平安後期から太子信仰の隆盛にともなって発展し,太子の命日に聖霊会(しょうりょうえ)が修されるようになった。数多くの文化財を所蔵し,現在も寺宝の調査が進められている。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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