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入会(いりあい)

入相・入合とも。一定の場所を複数の家や村が共同で利用し,利益を得ること。山野や海面の利用,また用水路の利用などに入会関係が生じた。近世では山野の入会は,農民が刈敷・秣(まぐさ)・薪や建築用材・萱などを採取したもので,村の農民全員が入り会う村中入会と複数の村が入り会う村々入会があった。農業生産の拡大にともない入会をめぐる争論が頻発した。一方,商業的農業の発達によって金肥が導入され,薪が商品化されるなどによって,入会地の利用形態が変化し,分割所持される場合も生じた。入会地は,地租改正によって官有地とされた場合が多かったが,入会関係は現在でも残存している。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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