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一寸法師(いっすんぼうし)

室町物語の庶民物。作者不詳。江戸時代に入ってからの成立か。「御伽草子」の一編。難波の里に住む老夫婦が住吉大明神に授かった男子は,背が1寸であったため一寸法師と名づけられる。都へ上った一寸法師は三条の宰相に仕え,宰相の姫に一目ぼれをする。計略をめぐらして姫を都から連れ出すことに成功した一寸法師は,船に乗って鬼の住む興(きょう)がる島に着き,鬼を退治する。鬼が忘れていった打出の小槌で,ふつうの背丈と財宝を手にいれた一寸法師は都へ上り,少将となり,一門は繁栄する。同類の話に「小男の草子」がある。「日本古典文学大系」「日本古典文学全集」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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