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一向宗(いっこうしゅう)

浄土真宗の別称。広義には一心一向に阿弥陀仏に帰依することを旨とする浄土教系の宗派をいう。中世には一遍の時衆(じしゅ),その系統を引く一向俊聖(しゅんじょう)の一向派,親鸞の真宗がそれぞれ一向衆とよばれていた。それらは混同されていたが,14世紀初め頃から真宗を一向宗とよぶことが定着し始めた。蓮如はこの呼称を嫌い,親鸞が用いていた浄土真宗を称することを主張した。しかし一向宗という名称の定着化は続き,室町中期・戦国期の真宗門徒による一揆は一向一揆とよばれた。近世に至り,東西本願寺は宗名を浄土真宗と改称することをしばしば幕府に願いでたが許可されなかった。その後,1872年(明治5)大蔵省から真宗と称すべき通達がだされ,宗名問題は決着した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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