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一木造(いちぼくづくり)

寄木(よせぎ)造に対する技法で,一つの木材から頭体の幹部を彫りだすこと。肩から先,体側部,背面,座像の場合は脚部に別の材を用いる場合も一木造という。飛鳥時代から寄木造が現れるまでの木彫像はこの技法で造られ,寄木造が盛行する11世紀半ば以降も小像を中心に多用された。ただし一木造というと,唐招提寺木彫群・神護寺薬師如来像など,8世紀半ばから9世紀末頃に造像された中国盛唐後期の影響である量感表現の顕著な像が,一木という材料の重量感と重なりあってイメージされることがある。なお一木造には,木心をとりさって干割れ(ひわれ)を防ぐための背刳(せぐり)・割矧(わりはぎ)造の技法がある。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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