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和泉式部(いずみしきぶ)

生没年不詳。平安中期の歌人。「和泉式部集」「和泉式部日記」の作者。大江雅致(まさむね)の女。母は平保衡(やすひら)の女。和泉式部は女房名で,江(ごう)式部ともよばれた。20歳頃に橘(たちばな)道貞と結婚,小式部内侍(こしきぶのないし)をうむ。やがて冷泉天皇の皇子為尊(ためたか)親王,その死後は弟の敦道(あつみち)親王との恋におちた。その経緯は「和泉式部日記」に詳しいが,1007年(寛弘4)敦道親王にも先立たれ,09年一条天皇の中宮彰子(しょうし)のもとに出仕した。その後,藤原保昌(やすまさ)と再婚,27年(万寿4)までの生存が確認できる。平安中期を代表する歌人の1人で,新鮮で情熱的な叙情歌が多い。中古三十六歌仙の1人。「拾遺集」以下の勅撰集に248首入集。奔放な恋愛と和歌はのちさまざまの説話・伝説をうんだ。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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