元老院(げんろういん)
1875年(明治8)4月14日の立憲政体樹立の詔により,大阪会議にもとづく太政官改革の柱として設置された立法諮問機関。初代議長は有栖川宮熾仁(たるひと)親王,副議長は後藤象二郎。議官は国家功労者・学識者などから任命され,定員30人。定足数は3分の1,議決は多数決(同数は議長裁決)とされた。設立当初,同院は法律議決権や予算議定権をもつとされたが,同年11月の章程改正によりその権限は法案審議のみに限られ著しく弱体化した。翌年9月から国憲取調に従事,80年12月第3次案を上奏したが不採択となっている。同院改革の動きは多く,おもなものには80~81年の一部議官の士族公選制導入への動きなどがある。90年10月20日,明治憲法施行にともない廃止。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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