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建武記(けんむき)

「建武年間記」「建武二年記」とも。建武政権の法令や,職員の交名(きょうみょう)などを集めた書。編者は不詳。南北朝初期の成立か。法令や交名は,1334年(建武元)から36年(建武3・延元元)にかけてほぼ編年に並ぶが,年号の注記は信用できない。建武政権研究の基礎となる重要史料で,その施策,政権を構成する人材,雑訴決断所などの機構を時間的変遷とともに一覧できる。政権を揶揄する「二条河原落書」をはじめ,月食についての僧亮禅の文書や,右筆奉行人の松田氏に関する雑訴決断所牒も含む。15世紀後半,幕府奉行人清元定(しょうもとさだ)が問注所町野氏伝来の本を書写し,その写本が転写されて流布した。「群書類従」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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