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言文一致(げんぶんいっち)

言は話し言葉,文は書き言葉の意味で,話し言葉と書き言葉が同じ形式になった状態をいう。平安時代まで言文一致であったが,文に変化が生じなかったのに対し,言は変化し,鎌倉時代以降は言文二途の時代になる。その後江戸時代に至るまで標準的な文章体(和文)が古典的な性格を帯びたものだったために,幕末から明治期にかけて,西欧にならった言文一致の文章が求められた。1866年(慶応2)の前島密(ひそか)の「漢字御廃止之議」に始まり,自由民権論者や二葉亭四迷(ふたばていしめい)・山田美妙(びみょう)らの文学者によって試みられた。以後,口語文の新しい文体が創始されるが,これが公用文のなかで認められたのは1946年(昭和21)になってからであり,法律条文なども文体の改訂が行われるようになる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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