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源信(げんしん)

生没 942~1017.6.10 恵心僧都(えしんそうず)・横川(よかわ)僧都・今迦葉(いまかしょう)とも。平安中期の天台宗僧。大和国葛下郡当麻(たいま)郷の卜部(うらべ)正親の子。比叡山で良源(りょうげん)に師事,論議に優れ広学竪義(りゅうぎ)の竪者(りっしゃ)を勤め,因明学の書を著す一方,浄土教にも親近。天禄年間から横川に隠棲して念仏・読経と著述の生活に入った。985年(寛和元)「往生要集」を著して浄土教義を大成し,往生の指南として僧俗に広く読まれた。また念仏結社二十五三昧会(にじゅうござんまいえ)に参加し「横川首楞厳院(しゅりょうごんいん)三昧式」を制定した。1004年(寛弘元)権少僧都に任じられたが翌年辞退。13年(長和2)までに念仏20億遍・大乗経読誦(どくじゅ)5万余巻・念呪(ねんじゅ)100万遍と称したように,数量重視・諸行往生の浄土教信仰者だった。著書は叡山学院編「恵心僧都全集」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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