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源氏物語絵巻(げんじものがたりえまき)

12世紀前半制作の現存最古の源氏絵の絵巻物。「源氏物語」の各帖から1~3場面を選びだして5グループで分担制作したものと推定されるが,現在では詞20段,絵19段の8帖分と若干の断簡が伝わるのみ。しかし現存部分からだけでも書風・絵画表現などに各グループの趣向がわかる。金銀箔散らしなどで加飾された手のこんだ料紙に詞書(ことばがき)を記し,吹抜屋台(ふきぬきやたい)の構図に引目鉤鼻(ひきめかぎはな)で表された男女を濃彩で描きだした,平安時代を代表する豪華な絵巻物。画面の剥離部分には当初の下絵や書きこみの文字などがみられ,当時の宮廷絵所でのつくり絵の分担制作の状況がうかがえる。縦21.2~22.0cm。徳川美術館・五島美術館分蔵。国宝。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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