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元亨釈書(げんこうしゃくしょ)

虎関師錬(こかんしれん)が1322年(元亨2)に編纂した日本仏教史。30巻。仏教伝来から同年までを,高僧の伝記をまとめた伝,欽明天皇から仲恭天皇までの仏教年代記をまとめた資治表,仏教の制度や寺院の歴史など部門史をまとめた志の3部からなる。同年8月16日の上表文から,多くの高僧を輩出しながら,日本には彼らの通伝がないことを嘆いて著されたことがわかる。巻2・3・10・22の自筆浄書本が東福寺に現存。1360年(延文5・正平15)大蔵経に加えられ,東福寺海蔵院の無比単況(たんきょう)が64年(貞治3・正平19)から版をおこし,77年(永和3・天授3)に完成した大蔵経が最古の版本。「新訂増補国史大系」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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