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喧嘩両成敗(けんかりょうせいばい)

喧嘩で暴力を行使した者双方に対し,理由を問わず同等の刑を科すこと。戦国大名による喧嘩両成敗法に顕著な法理で,その源流は室町幕府の故戦防戦(こせんぼうせん)法や成員相互の武力行使を禁じる国人一揆の盟約などにある。中世社会では,実力行使によって紛争解決をはかる自力救済観念が強く,個人間の紛争はただちに帰属する集団相互の私戦に発展した。喧嘩両成敗法の狙いは,諸集団の実力行使を否定し大名の裁判による解決をうけいれさせることにある。当事者双方に均等な被害を与えて終結をはかる衡平観念は,加害者側から被害者側へ下手人(げしゅにん)を引き渡す慣習など中世人に共通のもので,紛争に際し近隣有力者が調停にあたる中人(ちゅうにん)制の慣行もかかわる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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