毛野国(けののくに)
「けぬのくに」とも。古代の地域名。現在の群馬県全域と栃木県南部。「古事記」「日本書紀」にはみえないが,「先代旧事(くじ)本紀」国造本紀は仁徳朝に毛野国が分割され,上毛野(かみつけぬ)国・下毛野国が成立したとする。多数の古墳が分布し,とくに太田市の太田天神山古墳は東日本最大の前方後円墳で,この地域に一大勢力が存したことをうかがわせる。両国の国造となった上毛野氏・下毛野氏は,崇神天皇に東国統治を命じられた豊城入彦命(とよきいりひこのみこと)を始祖とする伝承をもつが,実際には毛野地方は5世紀末~6世紀前半に大和政権の支配下に入ったと考えられる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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