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華厳宗(けごんしゅう)

南都六宗の一つ。「華厳経」を所依の経典とする宗派。中国では東晋以後「華厳経」が漢訳され,唐代に法蔵が宗義を大成した。朝鮮半島では新羅の義湘(ぎしょう)・元暁(がんぎょう)がこれを広め,日本へは8世紀前半までに経典や章疏が伝えられた。740年(天平12)からは審祥(しんじょう)・慈訓(じくん)・鏡忍らにより「華厳経」の講義が行われ,東大寺には華厳教主としての毘盧遮那(びるしゃな)の大仏が造立され,10世紀半ばには光智創建の尊勝院が教学の本拠となった。鎌倉時代には宗性(そうしょう)やその弟子凝然(ぎょうねん)がでて華厳教学の復興をもたらした。1872年(明治5)浄土宗に属したが,86年東大寺を本山とする華厳宗として独立した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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