1. 用語
  2. 日本史 -け-
  3. 経世秘策(けいせいひさく)

経世秘策(けいせいひさく)

「国家豊饒策」とも。江戸後期の代表的経世論書。2巻・補遺・後編。本多利明著。1798年(寛政10)成立。のちに2巻のみ刊行。経世秘策とは国を経営し富国とすべき秘訣となる政策の意。ここでの国は藩ではなく日本をさす。みずから見聞した1783年(天明3)の飢饉からの鋭い危機意識を背景に,従来の儒教的な経世論とは異なり,西洋の知識に裏づけられた富国策を示した。具体策として,開発用の爆薬の製造,鉱山開発,海外貿易のための船舶の建造,蝦夷地を主とする日本近辺の諸島の開発の4大急務を詳述,小急務として河川の開発を論じる。「日本思想大系」「日本経済大典」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう