1. 用語
  2. 日本史 -け-
  3. 稽古談(けいこだん)

稽古談(けいこだん)

江戸時代の代表的経世論書。5巻。海保青陵(かいぼせいりょう)著。1813年(文化10)成立。「海保青陵経済談」の代表的著作。支配階級である武士が利をすてることの愚を説き,「君臣ハ市道ナリ(中略)ウリカイ也」と君臣関係も商品交換の論理で説明され,その原理的意義を「売買ハ天理也」と端的に宣言。さらに当時の商品経済の発展をふまえた興利の具体策がのべられ,それを実行する際の民衆への対処策などの留意点を指摘する。その主張は商品経済の発展を考えた藩レベルの合理的なものといえるが,他の経世論者と同様,実施主体についての認識は希薄で,民衆を上からの操作の対象とする愚民観に規定されている。「日本思想大系」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう