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経国集(けいこくしゅう)

平安初期の漢詩文集。20巻(巻1・10・11・13・14・20が現存)。827年(天長4)良岑安世(よしみねのやすよ)が淳和天皇の勅を奉じて南淵弘貞(みなぶちのひろさだ)・菅原清公(きよとも)らと撰進。「凌雲集」「文華秀麗集」につぐ第3の勅撰集。書名は魏(ぎ)の文帝の「典論」の「文章は経国の大業,不朽の盛事なり」にもとづく。収録作品の年代は,707年(慶雲4)から827年に及ぶ。先行する二つの勅撰集と異なり,詩のほか賦(ふ)・序・対策を収め,奈良時代以来の漢詩文の総集ともいえる。各巻の配列は,序に「人は爵をもって分かち,文は類をもって聚(あつ)む」とみえ,内容と作者の地位にもとづく。嵯峨天皇・石上宅嗣(いそのかみのやかつぐ)・淡海三船(おうみのみふね)・滋野貞主(しげののさだぬし)・空海らの作品を収録。「群書類従」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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