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挂甲(けいこう)

小札(こざね)を革紐ないし組紐で縅(おど)し,胴・腰・草摺(くさずり)が一体となった鎧。「延喜式」によれば挂甲1領に800枚の小札を使用するという。胴1連に作られ正面で引きあわせる胴丸式と,胴の前後に垂下し左右は別におおう裲襠(りょうとう)式の2種類がある。古墳から出土する数では前者が圧倒的に多い。中国にその源があり,日本では朝鮮半島との交渉が盛んであった5世紀中葉頃に現れた。前者は,古墳出土の武人埴輪にも表現され,正倉院宝物中にもそれと思われるものがある。後者は,中世の儀礼的な裲襠式挂甲へと続くと思われる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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