1. 用語
  2. 日本史 -き-
  3. 宮中某重大事件(きゅうちゅうぼうじゅうだいじけん)

宮中某重大事件(きゅうちゅうぼうじゅうだいじけん)

1920~21年(大正9~10)におこった皇太子(裕仁)妃決定をめぐる政治的紛争。1919年久邇宮邦彦(くによし)王の長女良子(ながこ)が東宮妃に内定したが,翌年良子生母の実家島津家に色盲の遺伝があることが判明。婚約辞退を要望する枢密院議長山県有朋(やまがたありとも)ら元老や宮内相と,婚約解消に反対する久邇宮家や東宮御用掛杉浦重剛(じゅうごう)らの間に対立が生じた。このことが漏洩したため頭山満(みつる)・内田良平・北一輝(いっき)ら右翼による山県攻撃が展開され,薩派が久邇宮家を支持するなど政治問題へと発展した。21年2月宮内省は皇太子妃内定変更なしと発表,中村雄次郎宮内相の引責辞任により事件は落着した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう