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吉備国(きびのくに)

律令制以前の吉備地方の古称。律令制下の美作・備前・備中・備後4国を包摂する地域で,現在の岡山県と広島県東部にあたる。大伯(おおく)・上道(かみつみち)・三野(みの)・下道(しもつみち)・加夜(かや)・笠臣(かさのおみ)・吉備中県(なかのあがた)・吉備穴・吉備品治(ほんじ)・波久岐(はくぎ)などの国造が知られ,畿内に匹敵する巨大古墳が存在することから,古くから発展し大きな勢力を形成していたと考えられる。7世紀後半には吉備総領・吉備大宰の地方官名が知られ,吉備総領の任命は700年(文武4)までみられる。天武~持統朝頃に吉備国は三分され備前(のち美作が分国)・備中・備後国が成立する。その後も大宝令で筑紫の大宰府以外の大宰・総領が廃止されるまでは,吉備として一括され広域的管轄がなされたと思われる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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