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騎馬民族説(きばみんぞくせつ)

第2次大戦後,日本古代国家の成立過程を説明するために,江上波夫によって提唱された学説。これによれば3世紀末から4世紀初めにかけて,東北アジア系の騎馬民族である扶余(ふよ)族が朝鮮半島から九州に渡来して征服し,第1次建国を行って成立したのが崇神(すじん)王朝であるとする。この王朝は5世紀初めに九州から畿内へ移動し,倭人(わじん)を征服して第2次建国を行い,応神王朝が成立したという。天皇の諡号(しごう)や畿内の後期古墳から馬具が集中的に現れることなどをその証拠とする。古墳文化の連続性など,考古学的な点で疑問も多いが,日本における国家の形成を外的要因から捉えようとした点で画期的である。また日本古代の民族・言語・神話など文化的諸要素の特質の解明にも示唆を与えるものが多い。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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