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偽籍(ぎせき)

戸籍に虚偽の記載がなされること。律令制では,調庸(ちょうよう)・力役・兵役の賦課,口分田(くぶんでん)の班給はすべて人民の基本台帳である戸籍にもとづいて行われたため,虚偽の申告による諸負担の忌避と口分田の不正受給が企図された。たとえば性別・年齢を偽ったり,死亡者の除帳を行わないなどの方法によって,8世紀末には課口減少・不課口増大の傾向が顕著となっている。現存する平安時代の戸籍は,偽籍の実情をよく示しているが,背後には農民側の不正を助長するような国郡司の動きもみられた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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