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帰化人(きかじん)

古代におもに朝鮮から渡来した人々とその子孫。最近では,中華思想をさけて渡来人の語を使用することが多い。応神朝に百済から渡来したとされる東漢(やまとのあや)氏・西文(かわちのふみ)氏は,人質として来日した王子直支(とき)が伴った楽浪(らくろう)官人の子孫らしく,大和王権の外交・記録を担当し,5世紀末以後には新たに今来漢人(いまきのあやひと)を配下に入れて,有力な氏族となった。秦(はた)氏の伝承は疑問が多いが,古くから移住していた新羅系の人々で,6世紀になり山背(やましろ)の勢力を中心に氏族的結合をなした。以後も,7世紀の百済・高句麗の滅亡に際し,多く亡命人が渡来し,奈良時代以後も鑑真(がんじん)のように中国から渡来した人々もあった。彼らが日本の古代国家形成にはたした役割はきわめて大きい。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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