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困民党(こんみんとう)

1883~84年(明治16~17)の全国的な不況のなか,関東・中部・東海・東北南部の各地方を中心に結成された負債農民の集団。各地で借金党・貧民党・困民党などとよばれた。大蔵卿松方正義のきびしいデフレーション政策によって全国的に物価低落や土地価格の下落がおき,高利貸から借金していた農民に打撃を与えた。農民は借金の据置・年賦返済・利子引下げ・質地請戻しを要求して立ちあがったが,官憲の弾圧により運動はしだいに終息した。著名な困民党として武相困民党・秩父困民党があるが,後者は従来自由民権運動とのかかわりでとらえられてきた。最近の研究では,近世の土地慣行に焦点をあて,民権運動とは別の自律性をもった民衆運動と考えられている。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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