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古浄瑠璃(こじょうるり)

竹本義太夫の語った近松門左衛門作「出世景清(しゅっせかげきよ)」(1685初演)以降の当流浄瑠璃に対して,それまでの古流の浄瑠璃をいう。おおむね,義太夫節成立以前とみてよいが,近松の最初の確実作「世継曾我(よつぎそが)」(1684初演)をもって,古流・当流の境とすべきとする異見もある。また江戸浄瑠璃の場合は,義太夫節が浸透してくる享保頃までの作を広く含める。寛永期前後から正本(しょうほん)の刊行をみるが,17世紀半ばには都鄙を問わず人気を集めていた語り物である。地方的語り物から出発して浄瑠璃化をとげた曲目や,その曲節に中世物語の詞藻をのせて語られる場合が一般的であったが,金平(きんぴら)浄瑠璃以降創作時代を迎え,延宝期の宇治加賀掾(かがのじょう)・山本角太夫(かくだゆう)時代をへて当流浄瑠璃につながる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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