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国性爺合戦(こくせんやかっせん)

人形浄瑠璃。時代物。5段。近松門左衛門作。1715年(正徳5)11月大坂竹本座初演。明の貿易商鄭芝竜(ていしりゅう)と日本人を母にもつ平戸生れの鄭成功(ていせいこう)が中国に渡り,明国の将軍となって清と戦った史実をもとに,錦文流(にしきぶんりゅう)作「国仙野手柄日記」を参考に脚色。舞台が日本と中国にわたり,主人公和藤内(わとうない)(鄭成功)の剛勇ぶりや,大仕掛のからくりなど,スケールの大きい変化にとんだ作品で,初演時には足掛け3年越しの大当りをとった。本作により近松の時代浄瑠璃の定型が完成したことや,幕間に演じていたのろま人形を廃止したことなど,浄瑠璃史上重要な作品の一つ。歌舞伎にもただちに移入され,和藤内は荒事の代表的人物として人気を博した。浄瑠璃・歌舞伎・浮世草子・謡曲などに追随作がみられ,新劇でも改作物を上演。現在は浄瑠璃・歌舞伎ともに2・3段目の上演が多い。「岩波文庫」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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